中古マンションは、マンションによって新築時とあまり変わらなかったり大きく値下がりしたり、場合によっては新築時よりも上がるなど価格の変動は様々。
では、中古マンション購入時の大きなポイントとなる中古マンションの価格は、いったいどのように決まるのでしょうか?
価格は、大きく分けて2つの要素と、定められた算出方法によって決定されます。
この価格により中古マンションの購入のタイミングも変わってくるので、「中古マンション購入に影響を与える中古マンションの価格は、どのような方法で価格決定されているのか」についてご説明します。
資産価値は外的要因と内的要因を参考に価格決定されています。
外的要因は3つ
● 経済的要因
最近では、オリンピックに向け土地価格の上昇、資材価格の高騰、人材不足の影響による工賃の高騰などが見られます。どうしても、という場合以外はこういったタイミングの中古マンション購入は避けた方が無難です。
● 社会的要因
人口減少による、地方部の地価下落など、不動産購入を検討する人が減ることによる、不動産価格の下落が見られます。
● 行政的要因
新築の住宅や中古マンションの購入を増やすため、政府や自治体や「住まい給付金」「住宅ローン減税」などの施策を実施しています。この辺りは中古マンション購入希望者には見逃せない情報です。
これら3つの外的要因によって、マンション市場全体の価格トレンドが変動することによって、個々のマンション価格に影響を与えます。中古マンション購入を検討しているときには、この辺りの状況はチェックしておきましょう。
内的要因は2つ
● 地理的要因
地理的要因は基本的に3つの要素で構成され、「どれだけ快適な暮らしができるか」が価格に影響すると言えます。すぐに調べられるので、中古マンション購入時にはチェックしておきたいですね。
- 日当たり・方角・角部屋かどうか
- 交通の便
- 生活至便施設と嫌悪施設
例えば、「大型ショッピングモールや商店街が近い」といった環境であれば資産価値を高めますが、駅との距離に比べると、その影響はさほど大きくありません。
一方で「工場、空港、線路沿い、ゴミ処理場、下水処理場などが近い」などのマイナス要因は、価格にかなりの影響を与えます。
このような「どれだけ快適な暮らしができるか」という点は価格に大きな影響を与えるので、街がどのように変化をしているのかは意識しておくと良いでしょう。
● 物件独自の要因
中古マンションの場合、不動産価格に最も影響を与えるのが、「築年数」です。
一般的に言えば、新築直後から15年までに大きく価値を下げ、その後緩やかに下落が続きます。この他、以下の様に、多くの項目が価格に影響を与えています。
- 間取り
- 階数・眺望
- 防音
- 設備(水回り、セキュリティ・エレベータなど)
- 駐車場・駐輪場の有無
- ペット可物件かどうか
加えて、分譲会社や建築会社の信頼性、また、管理体制では、勤務形態・巡回数や、清掃数など、「建物そのもの」と、「人が関わるソフトの面」が、価格に影響を与えています。
このように外的要因と内的要因の2つが中古マンションの資産価値の算出に影響を与えています。では具体的に、どのような方法で資産価値が算出されているのでしょうか?
次の項目でご紹介しています。
資産価値は外的・内的要因を元に『取引事例比較法』で評価される。
具体的には、対象物件と条件の近い、「過去の取引例」の中から、必要に応じて評価され、価格決定がされています。
特徴としては次の通りです。
- 対象物件に特殊な事情がある場合、適切な補正や修正を行い比較評価する。
- 基準として、売り急いだり、また、投機的な取引がされた事例は排除。
その他の算出方法としては、『原価法』や『収益還元法』がありますが、『取引事例比較法』は、対象物件と似た取引事例があることの多い居住用の不動産の場合に有効です。そのため、中古マンションは『取引事例比較法』で評価されています。
ところで中古マンションの価値は、いったいどのような評価基準で決めているかご存じですか?
次の項目でご紹介しています。
資産価値の算出は簡単そうで難しいため、プロに任せるべき。
中古マンション購入のポイントともなる価格決定には、たくさんの要素が絡んでいます。
価格の決定の際にはこちらで紹介したもの以外にも、細かく見ればまだまだいくつかの要素があり、過去の事例や、他地域との比較には、多くのデータや経験、また専門的な知識が必要。
そのため、一般の方が適正価格を割り出すのは難しいものです。
そのためどうしても適正な資産価値を知りたい場合は、不動産会社に審査を依頼しましょう。評価には性質上ブレがあるため、複数の不動産会社への依頼がおすすめです。
まとめ
今回は、「中古マンションの価格ってどうやって決まるの?」をテーマに、外的要因や、内的要因、そして、取引事例比較法についてご紹介してきました。これは将来的な売却を考えた場合に、中古マンション購入の大きなポイントとなります。
価値決定のポイント
- 「外的要因」と「内的要因」の2つの要素がある。
- 外的要因は、「経済的」「社会的」「行政的」の3つから構成されている。
- 内的要因は、「地理的要因」「物件独自の要因」の2つから構成されている。
- 上記を踏まえ『取引事例比較法』によって資産価値が算出されている。
- 資産価値の算出は簡単そうで難しいため、プロに任せるべき。
中古マンション購入に影響を与える中古マンション価格は、このように外的要因と内的要因を元に、取引事例比較法によって価格決定されています。
自分のマンションの売り時はいつか、中古マンション購入のタイミングはいつがベストか、これらを元に意識してみてください。