中古マンションの購入は、購入者の希望や市場によっては新築マンションよりずっとお得です。では、どんな人にメリットがあって、どういった新築マンションより中古マンション購入の方がお得なのでしょうか?
大きな買い物ですので、後悔のないように選びたいですよね。
次の項目で、その理由について具体的にご紹介します。
中古マンション購入がお得な理由
●購入価格が抑えられる
これはまず最初に浮かぶのがこの価格の違いです。こちらは、2018年度の首都圏にある新築マンションと中古マンション価格を比較したものです。
マンションごとの個体差はあるものの、 このように地区別に見た場合、中古マンション購入の場合は半額に近い価格であることが分かります。特にマンションは、1年でも入居した途端に一気に価格が下がりますので、新築とほとんど変わらない綺麗さで1割ほど安く買えることもあります。
この購入費用の差額分でリフォーム、また、老後資金や教育資金に回すことができるメリットがあります。
この価格面でのメリットが、中古マンション購入の最大のポイントです。
参考元
首都圏不動産流通市場の動向(2018年度)公益財団法人東日本不動産流通機構
首都圏マンション市場動向 2018年度 (2018年4月~2019年3月)㈱不動産研究所
●中古マンション購入は、物件数が多いため選択肢が広い
こちらは2018年度の首都圏にある新築マンションと中古マンションの2018年度新規登録戸数を比較したものです。
このように、新築マンションの購入と中古マンション購入では物件数に大きな差があることが分かります。特に築30年を超える中古マンションの取引が年々増加しており、先に建てられたマンションの方が立地条件で有利な場合が多いのも特徴です。(立地条件は資産価値に大きく影響します)
そのため中古マンション購入の方が、新築マンション購入よりも場所や価格など、様々な面で選択肢が広いと言えます。
参考元
首都圏不動産流通市場の動向(2018年度)公益財団法人東日本不動産流通機構
首都圏マンション市場動向 2018年度 (2018年4月~2019年3月)㈱不動産研究所
●住む部屋の眺望・間取り・日当たりを実際に確認できる
新築マンションがモデルルームなのに対して、中古マンション購入の場合は、実際に住む部屋を見て決めることができます。
- 清掃などの管理状況(共用部を含む)
- 部屋からの眺望
- 間取り
- 交通の便
特に日当たりや同じマンションに住む人の雰囲気など、実際に住んでみないと分からない部分が正確に把握できる点でメリットと言えます。
これらは「中古マンションの購入」でイメージしやすいメリットですね。他にも制度的な「お得」や例外もありますのでもう少し具体的に見ていきましょう。
◆築浅物件、新築、中古マンション購入のポイントや違い
ここからは、中古マンション購入のポイントや気を付ける点についてご紹介しています。
●物件価格ではやはり中古マンション購入がお得、ただし例外も。
同じ首都圏エリアでも、新築と中古では、当然ながらいずれも中古マンション購入が安くなっています。
ただし人気のある立地では、その差が少ない傾向があり、数少ないものの希少物件の場合むしろ中古マンションの購入価格が上がる場合もあります。
また注意点としては、特に郊外の割安な中古マンションを購入した場合、購入時には価格が魅力的ですが、もし売りたくなった場合の再販価値に不安があります。「中古マンションの購入で得した!」と思っていても、開発から取り残されると価格はどんどん下がっていくので、その辺りもよく見極めましょう。
●物件によって違う「諸費用」
諸費用には、税金・手数料・保険料などがあり、共通して支払うものと、独自にかかるものに分かれます。新築マンション購入時・中古マンション購入時、それぞれで支払う諸費用の中から特筆すべき部分をご紹介します。
- 「修繕積立基金」
20~30万円が目安で、新築だけにかかる、将来必要な建物の大規模修繕に備えたお金。
- 「仲介手数料」
物件価格の3~5%が目安で、築浅物件・中古マンション購入時にかかる、買主と売主の交渉や連絡の代行報酬として支払うお金。
ちなみに、この他にも登録免許税、団体信用生命保険があります。
●具体的な希望がある場合は、中古マンションの方が見つかりやすい
新築の場合、多くの情報が不動産会社から情報誌やインターネット等を通じ、提供されています。反対に、中古マンションの場合は、上記に加え、不動産仲介会社を利用し紹介してもらうのが一般的です。
また、新築物件の設備や仕様は一定レベル以上のため、勤務先等への通勤距離や予算などから、好みの物件を選びます。
反対に中古物件では、新築物件より圧倒的に多い数の中から、希望地域・築年数・価格などのスペックで絞り込んでいきます。そのため、すでに具体的な希望がある場合は、中古マンションの方が見つかりやすいと言えます。
●構造・耐震性・保証・管理規則など他にもたくさん
ここでは紹介しきれませんが、この他にもこのように中古マンションには新築との違いがたくさんあります。
中古マンション購入もいいけど、でもやっぱり新築物件も捨てがたいですよね。
それでもあえて新築よりも中古マンション購入をお勧めする理由について、ご紹介します。
築浅物件でも大幅に値下がりする
こちらは、2018年度に首都圏にある中古マンションの成約状況を、地域と築年代別にグラフ化したものです。
あくまで目安ですが、この表で、マンションの価値が築年数ごとにどれくらい下落するのかが分かります。
- 新築マンションは「新築プレミアム」と言われ、購入直後に1割程度資産価値が下がる。
- また、築10年未満の築浅物件を購入しても、資産価値が大きく下落する。
参考元
首都圏中古マンション・域別築年数別成約状況 2019年1月から3月 公益財団法人 東日本不動産流通機構
中古マンショは購入後の下落幅が少なく、売却時も売りやすい場合が多いのです。これらのことから、「新築マンション購入より中古マンションの購入の方がお得」と言えます。
まとめ
今回は、新築マンションより中古マンション購入がお得な理由をテーマに、お伝えしてきました。
- 購入価格が抑えられ、物件数が多いため、新築マンションより選択肢が広い。
- 中古マンションの特徴は、住む部屋の眺望・間取り・日当たりを実際に確認できる。
- 新築や築浅物件にも魅力はあるが、築浅物件でも大幅に値下がりする。
これらの理由から、中古マンションの購入が新築マンション購入よりお得です。ピカピカの新築マンションのモデルルームでつい夢を見てしまうと思いますが、「中古なら、同じ予算でもっと良い場所に買える」という視点も持つことをお勧めします。