アジアコラム
COLUMN
アジア各国の渡航状況は?規制緩和によりワクチン接種の有無が問われない時代へ
新型コロナウイルスの感染拡大により、一時は多くの国で入国規制が設けられ、渡航が難しい状況でした。しかしウイルス蔓延から約3年が経った今、世界各国でワクチン接種や感染防止対策などが進み、段々と状況は変わってきています。
本記事では、日本国籍者に対するアジア各国の入国規制状況や渡航の際に必要となることなど、現在の状況を国別に詳しく解説します。
※2023年2月時点の情報です
世界的にゼロコロナからウィズコロナへ政策が転換されている現在では、アジア各国の多くで規制が緩和されている傾向にあります。国によっては、コロナ禍に伴い設けたルールのほとんどを廃止や撤廃する動きまで見せています。これにより、アレルギーや重い急性疾患など、何らかの理由によりワクチン接種ができない人でも渡航しやすい国が増えてきている状況です。
一方で、日本へ帰国する際には、引き続き一部規制があるので注意しましょう。基本的にワクチン接種が3回以下や未接種の場合は、帰国前のPCR検査が必要です。出国前72時間以内の陰性証明書を取得し提出します。ワクチンを3回以上接種済みであれば、陰性証明書が不要となってきています。
注意点として、証明書を提出する時は、日本を含め各国政府が「有効なワクチン接種証明書や陰性証明書」として認めているものかどうかを必ず確認しておきましょう。
渡航の可否 | 出発前 PCR検査 |
入国時 現地での隔離 |
帰国前 PCR検査 |
|
---|---|---|---|---|
ワクチン接種 完了者 |
可能 | 不要 | なし | 不要 |
ワクチン接種 未完了者 |
可能 | 不要 | なし | 必要 |
タイは、アジア各国の中で最初に入国制限を完全解除しました。新型コロナウイルスに伴う入国制限措置は廃止されており、観光・商用問わず入出国が可能。ワクチン接種の有無に関わらず、証明書を提示する必要はありません。非常事態宣言もすでに解除されているので深夜営業なども再開しており、コロナ禍前の賑わいを取り戻しています。
またビザ(査証)については、30日以内の観光目的の滞在は免除となります。商用目的の場合は対象外で、事前に取得が必要です。
渡航の可否 | 出発前 PCR検査 |
入国時 現地での隔離 |
帰国前 PCR検査 |
|
---|---|---|---|---|
ワクチン接種 完了者 |
可能 | 不要 | なし | 不要 |
ワクチン接種 未完了者 |
可能 | 必要 | 原則なし | 必要 |
フィリピンへは、ワクチン接種や必要書類など、条件を満たせば渡航することが可能です。特に、ワクチン接種完了者であれば出発前のPCR検査も免除となっています。ワクチン接種完了者と見なすには、出発日の14日以上前に2回接種ワクチンであれば2回、1回で済むワクチンであれば1回を接種済みであることが条件となっています。
ワクチン未完了者でも、入国制限は大きく緩和されています。出発前24時間以内の陰性証明書があれば、到着後の検査や隔離措置は発生しません。もし出発前の陰性証明書が提示できなければ、到着時にPCR検査が必要です。検査結果が陽性となった場合は、フィリピンの隔離検疫規則に従わなければいけません。
ビザ(査証)に関しては、入国条件を満たしていれば、30日以内の観光や商用目的の滞在はビザ(査証)免除が認められています。
渡航の可否 | 出発前 PCR検査 |
入国時 現地での隔離 |
帰国前 PCR検査 |
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ワクチン接種 完了者 |
可能 | 不要 | なし | 不要 |
ワクチン接種 未完了者 |
可能 | 不要 | なし | 必要 |
マレーシアは、アジアの中で最も入国しやすい国の一つとなっています。コロナ禍の入国制限は解除されており、ワクチン接種の有無に関わらず渡航することができます
マレーシアへ渡航するには、新型コロナウイルス対策アプリ「My Sejahtera(マイセジャテラ)」のダウンロードと、アプリ内で個人情報や健康情報など必須事項の登録が必須です。渡航7日前までに登録しましょう。このアプリはもともと接触者追跡などのために作られたもので、マレーシア国内全ての人の入店履歴やワクチン状況などが管理されています。一部施設ではアプリを通してワクチン接種履歴を確認される場合があるので注意しましょう。
ビザ(査証)に関してはコロナ禍以前の条件が適用となっており、90日間の観光や商用目的の滞在はビザ(査証)免除が認められています。
渡航の可否 | 出発前 PCR検査 |
入国時 現地での隔離 |
帰国前 PCR検査 |
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ワクチン接種 完了者 |
可能 | 不要 | なし | 不要 |
ワクチン接種 未完了者 |
可能 | 不要 | なし | 必要 |
シンガポールは2023年2月13日以降、ほぼ全てのコロナ禍規制を撤廃しました。ワクチン接種の有無に関わらず入国でき、入国前のPCR検査や旅行保険加入の義務なども撤廃となっています。また、感染者追跡アプリである「Trace Together」もデータが抹消されており、シンガポール市民へアンインストールが促されている状況です。それに伴い、外国渡航者もインストール不要です。
ただし、ワクチン接種証明書が不要となったのは短期滞在者のみである点に要注意。長期滞在者の場合は、引き続きワクチン接種証明書が必要です。
ビザ(査証)については、30日以内の観光・商用・外交・公用目的の滞在はビザ(査証)免除となっています。滞在可能日数は14~30日間ほどで、入国審査官の判断となります。入国時には許可された滞在日数を必ず確認しましょう。
渡航の可否 | 出発前 PCR検査 |
入国時 現地での隔離 |
帰国前 PCR検査 |
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ワクチン接種 完了者 |
可能 | 不要 | なし | 不要 |
ワクチン接種 未完了者 |
可能 | 不要 | なし | 必要 |
ドバイを含むアラブ首長国連邦(UAE)では、コロナ禍に伴う入国制限は撤廃されています。よって、ドバイへの渡航に関してもコロナ禍前の状況へ戻っています。ただし、アラブ首長国連邦(UAE)内では一部のイベント会場や施設でワクチン接種などに関する証明の提示が求められる場合もあります。あらかじめ訪問前に詳細を確認しておくと安心です。
ビザ(査証)に関しては、自動的に30日間の短期滞在がビザ(査証)免除となり、10日間の出国猶予期間も付与されます。
アジア全体的にはワクチン接種の有無に関わらず渡航が可能となっていますが、今回ご紹介した国以外を含め、まだ入国制限が引き続き残っている国もあります。今後の新型コロナウイルスの感染状況によっては、各国の入国条件や隔離検疫体制が予告なく変更となる場合があるので、渡航の際には改めて最新状況をチェックしておきましょう。