不動産会社を通した不動産取引の方法には、共同仲介と単独仲介があります。その違いは何なのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
不動産業界の収益の仕組み
不動産取引のトラブルリスクや責任、双方の利益をまとめるため、不動産会社の仲介があり、取引方法として『共同仲介』と『単独紹介』があります。
仲介後の取引成立で、売り手と買い手それぞれが、不動産会社に仲介手数料を支払う。
これが不動産会社の収益の仕組みです。
それぞれの特徴は次の通りです。
共同仲介と単独仲介
共同仲介
共同仲介とは、売り手側と買い手側に不動産会社が1社ずつ入り仲介する取引方法です。
取引責任はそれぞれの不動産会社が負い、仲介手数料は、それぞれ仲介する不動産会社にのみ支払う。
そのため、売り手側と買い手側双方へのストレスが少なく、現在の不動産取引の多くがこの方法で行われています。
ちなみにこの方法を不動産業界では『片方』『片手』『シングル』などと呼んでいます。
単独仲介
単独紹介とは、1社の不動産会社が売り手と買い手を仲介する取引方法です。
不動産会社にとっては、取引成立後の仲介手数料が双方から入るため魅力的。
ちなみにこの方法を不動産業界では『両方』『両手』『ダブル』などと呼んでいます。
ただし、売り手と買い手の利益は、相反するのが基本的な流れなので、トラブルがあった場合など、取引に偏りがあると、どちらかに不満が残ります。
そのため、現在の日本では違法ではありませんが、不動産大国アメリカの多くの州では禁止されています。
過去日本でも禁止する流れがあり、民法上は禁止ですが、特別法(宅建業法)によって認められているため、現在も禁止されていません。
これらのことから、不動産会社にとってハイリスク・ハイリターンな取引でもあります。
このように不動産業界では、共同仲介・単独仲介により、成立した取引(仲介手数料)によって収益を得る仕組みがあります。
仲介手数料
上記の取引にかかる仲介手数料には、国土交通省による上限が定められています。
売買価格 | 仲介手数料 |
200万円以下 | 5.4% |
200万円~400万円以下 | 4.32% |
400万円~ | 3.24% |
国土交通省:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
これにより、仲介手数料で、売買価格によらず売り手だけが損をしないよう公平に取引されています。
また、不動産業界には不動産業者だけが見られる情報サイトがあります。
レインズ
レインズとは不動産業者だけが見られる情報サイトです。
全国の不動産業者の共通データベースで、家やマンションなど、全国の売り物件は、不動産会社を通じ、レインズへの情報登録が義務付けられています。
買い手のメリット
- どの不動産会社からでもほぼ同じ物件が見られる。
売り手のメリット
- 全国から買い手が見つけられる。
これにより、物件の早期取引や流通の円滑化、買い手の利益保護が可能になっています。
まとめ
今回は不動産業界の利益の仕組みについてご紹介しました。
不動産会社の色々な利益や情報の仕組みを知って、少しでも損の無い取引を実現してくださいね。