以前の「中古マンションの価格ってどうやって決まるの?」の記事では、中古マンションの価格を決定する「外的要因」「内的要因」のそれぞれについて説明いたしました。今回は価格決定の際に、資産価値を上げ得る要因について解説いたします。
中古マンションを購入するなら、やはり資産価値の高いものを買っておきたいもの。言い換えれば「値下がりしにくい物件」といえるかもしれません。そんな「値下がりしにくいマンション」が資産価値を維持するポイントは「立地条件」と「管理」にあったんです。今回は「値下がりしにくいマンション」について解説します。
ぜひ中古マンション購入の際にお役立てください。
- 資産価値の高い中古マンションを購入しておけば安心の理由とは?
中古マンションを保有しても「一生住むから売却することはない」という理由で、資産価値の下落を気にしないという人もいるかもしれません。
しかし、人生何があるかわかりません。
売却を余儀なくされる事態に遭遇しないとも限らないのです。
そんな時、資産価値が高いマンションを買っておけば安心ですよね。
持っているマンションの時価が常にローンの残債を超えている状態にあれば、売っても借金は残らないわけですから。だからこそ中古マンション購入の際に「資産価値の高いマンション」を購入することをお勧めします。
- 資産価値が下落しにくいマンションとは?
マンションの資産価値とはズバリ、「いま売却すれば幾らになるのか」。
当然、人気のあるマンションならば高く売れ、逆に人気のないマンションならば安くしか売れません。
このため、「資産価値が下落しにくいマンション」とは、人気となる理由を兼ね備えているマンション、ということができます。中古マンションの購入を考えているなら、ぜひこのことを意識してくださいね。
- 資産価値を最も左右するのは「立地条件」と「管理」
中古のマンションが人気となる理由はいくつも存在します。
しかし、その中で「資産価値が下落しにくいマンション」であるために、必ず必要な要素があります。
それは「立地条件」と「管理」。
この2つがしっかりしている物件こそが「資産価値が下落しにくいマンション」なのです。
- 資産価値を下げない「立地条件」とは?
比較的簡単に変更可能な建物の仕様や設備、あるいは管理体制などと異なり、立地条件は変えることができません。
だからこそ中古マンション購入選びにおいて立地条件は非常に重要な要素となり、ひいては資産価値を下げない要素となりうるのです。
では、どのような立地条件が資産価値を下げないのでしょうか?
◆交通の便の良さ
「最寄駅から徒歩10分以内」、これがマンションの資産価値を測る上で最低条件といえるかもしれません。これ以上かかったり、駅からバスに乗らなければならないとなると資産価値は大きく下がるといわざるを得ないでしょう。
逆に駅から近ければそれだけで資産価値は高く、多少建物が老朽化しても資産価値は下落しにくいといえるでしょう。これは中古マンション購入時にも必ずチェックしている点でしょう。
・生活の便利さ
ショッピングモールや大型スーパー、あるいは活気のある商店街が徒歩圏内にある。これも、資産価値が下がりにくい重要な条件です。
このほか、銀行や郵便局、学校や病院などがあれば、資産価値は下がりにくいといえます。特に学校は、その学区に合わせて中古マンションを購入する人がいるほと、重要ポイントです。
逆にこれらのものが近くにない物件は、将来的に資産価値が下がる可能性が高いといわざるを得ないでしょう。
・街の将来性
その街が将来発展し成長する可能性がある、ということも資産価値の維持につながる重要な要素です。どうせ中古マンションを購入するなら、衰退していく街より発展していくエリアが良いですよね。
「駅・街が栄えているかどうか」を表す「駅力」という言葉があります。駅力とは、スーパーや病院の数などの生活にしやすさ、駅での乗降客数、公園などの緑の多さなど、複数の項目で評価されるもので、その駅・街の魅力を表す大きな指標です。
駅力が高い場所であれば当然マンションの資産価値は高いので、中古マンション購入後も資産価値も下がりにくいといえるでしょう。
- 資産価値を下げない管理とは?
資産価値を下げないもう一つの大きな要素、「管理」。
中古マンションが古くなればなるほどその重要性は増します。どんなマンションも必ず劣化します。その劣化の速度を抑え、現状に即した適切なメンテナンスを加えるかどうかを判断するのが管理です。ここをおざなりにしてしまうと中古マンションの資産価値の下落を早めてしまう恐れがあるため、中古マンション購入前に管理体制をしっかり見極めておくことが重要なのです。
では、管理体制のどんなところをチェックすれば良いのでしょうか?
・確かな管理会社が入っているか
信頼のおける管理会社が入っていてしっかりとした管理体制があるか、ということも重要な条件です。
経験の豊富な大きな管理会社であれば、マンションの住人達が作る管理組合を確かな方向へと導いてくれるからです。また、マンションの状態を考慮してメンテナンスの提案や大規模修繕工事へのアドバイスをくれる場合もあるので、資産価値の維持に貢献してくれるといえるでしょう。
しかし管理項目が多いと当然管理費も値上がりし、あまり高いと売却の際に敬遠されてしまう可能性も。この辺りのバランスも重要になります。中古マンションを購入する際には必ずチェックしてくださいね。
・修繕積立金はしっかりと積み立てられているか
修繕計画と修繕積立金の有無。こちらもしっかりチェックしておきましょう。
マンションは古くなれば修繕が必要になります。だからこそ、中古マンションを購入する際には欠かせない情報です。
修繕計画を滞りなく進めるためには修繕計画と修繕積立金が必要になりますが、これを担当するのが管理組合なのです。管理組合がしっかりしていれば特に問題はないでしょう。
しかし近年、老朽化が進んでいるものの修繕計画も修繕積立金もなく、放置されているマンションが増えているのも事実です。このような中古マンションを購入したら、後が大変。
自分が購入した中古マンションがこのような事態に陥らないためにも、「管理組合がしっかりしているか?」「修繕計画と修繕積立金はどうなっているのか?」をしっかりと調べましょう。
- その他の資産価値を下げないポイントは?
「立地条件」と「管理」が、中古マンション購入後も資産価値を下げない最も大きなポイントだとお伝えしてきました。ただもちろん、このほかにも資産価値を下げないポイントはあります。
「住環境」や「住宅設備」「共用施設」、日当りなどの「快適性」、防犯などの「安全性」、そのマンションの持つ「付加価値」などです。ぜひ中古マンション購入の際は、この辺りもチェックしてくださいね。
まとめ
中古マンションを購入するなら、「いつか売る可能性がある」という意識を持っていることをおすすめします。
そのためにも、「資産価値が下がらない物件」「資産価値が下がりにくい物件」を買いたいもの。その際に重要なポイントとなるのが「立地条件」と「管理」です。
中古マンション購入後に後悔しないためにもしっかりとチェックして、資産価値の高い中古マンションを手に入れましょう。