例えば具合が悪い時に、子供なら小児科、風邪なら内科、骨を痛めたら整形外科に行くように、「病院には専門がある」ということを私たちは当たり前のように知っています。
それと同じように、不動産会社にも専門、あるいは得意不得意があるのをご存じですか?
不動産会社を訪れる際の大部分のニーズは「家を買いたい・売りたい・貸したい・借りたい」のどれかだと思いますが、それぞれに「強い」不動産会社があるので、どうせ依頼するのであれば自分の要望に強い会社が良いですよね。
特にはじめて不動産会社を選ぶ方にとっては判断要素が多く分かりづらいため、ここで『不動産会社の強み』それぞれの特徴について見ていきましょう。
不動産売却に強い・購入に強い・賃貸に強い、それぞれの特徴
不動産売却が得意な会社は、契約が決まるのも早い
不動産業界にはレインズと呼ばれる共同仲介物件の共有データベース(情報サイト)があり、不動産の取り扱い条件に応じて以下のような決まりがあります。
・専属専任・・・5日以内に登録義務有り
・専任・・・7日以内に登録義務有り
・一般・・・登録の義務は無し
中には登録から数日以内に購入希望があり、売却が完了することもあります。
これにはいい物件であることに加え、取り扱った不動産会社が次のような特徴を備えていることが求められます。
・査定価格の精度が高いこと(購入顧客のニーズやトレンドを把握している)
・売り方を熟知していること
・営業ツールが整っていること
・高品質の写真撮影・購入者のニーズを理解した説明など、独自のサポートが整っていること
このような特徴をしっかりと持った不動産会社が「売却に強い不動産会社」強いと言えます。
購入に強い不動産会社は、経験豊富な不動産会社が安心
物件購入の際は「学校・職場まで何分以内」「駅からどれくらい」「近くにスーパーがあるのは必須」など、様々な希望があるでしょう。
当たり前ですが、これらの条件をクリアした物件を予算内に素早く探してくれるのが、良い不動産会社ということになります。
その中で、次の条件が求めれます。
・購入後の不具合に対応してもらえること
・担当者の経験が豊富なこと(デメリットも教えてくれる)
・リフォームへの対応があること
・最新の住宅ローン情報に詳しいこと
・ローンの借り換えや資金計画への相談ができること
これに加え、すぐに良い物件が見つかれば良いですが時間がかかった場合には何度も足を運ぶことにもなりかねないので、自宅からの距離も一つのチェックポイントになります。
様々な不動産会社で物件の購入はできますが、中古物件の場合は新築物件よりもトラブルが起きやすいため、経験が豊富で法務がしっかりしている不動産会社の方が安心です。最初はネットで検索して不動産会社を知ることになるかもしれませんが、話を聞きながら上記の条件に合っているか、よく見定めることが重要です。
賃貸に強い不動産会社は、希望条件に合うこと
賃貸物件を取り扱う不動産会社には『管理会社』『仲介会社』『管理会社+仲介会社』の3種類あり、次の特徴があります。(基本的には全て仲介手数料がかかります)
・管理会社
建物のこれまでの経緯など仲介会社以上に詳しく知ることができる
・仲介会社
取り扱う物件数の多さが魅力
・管理会社+仲介会社
上の両方の特徴を持ち、地元密着型が多い
また、賃貸の場合は、店舗形式でも分けることができます。
- 地域密着型店舗
地元の大家さんと親しいことが多いため、広告に出す前の物件や、掘り出しモノを紹介してもらえるかもしれないメリットがある。
- 大手チェーン型店舗
店舗数が多いため、物件を広範囲から探せる。
特に大手チェーン型の店舗は、お得なキャンペーンが多い他、Tポイントが使えたり(貯まったり)、クレジットカード決済ができるなどのメリットがあります。
この他、担当者とのやりとりから、自分との相性や対応の誠実さを測ることができるため、これら項目が希望条件に合うこと、これが、賃貸に強い不動産会社と言えます。
さて、ここまで不動産売却・購入・賃貸それぞれの強みや特徴をお伝えしてきました。
次の項目では、不動産会社の選択基準がクリアになる『客付け&元付けの仕組み』をご紹介します。
客付け&元付けの仕組み
不動産会社の役割には大きく2種類あります。
客付け
不動産を購入する・借りるお客様を見つけてくる仲介業者を『客付け』と言います。『客付け業者』と呼ぶこともあり、駅前の不動産会社によく見られます。
利益の仕組みは、お客様からの仲介手数料。
- 部屋を借りたい
- 不動産を買いたい
このような要望をサポートしています。
元付け
お客様から不動産の売買の依頼を直接受けている仲介業者を『元付け』と言います。『元付け業者』と呼ぶこともあり、地域密着型店舗によく見られます。
利益の仕組みは、物件オーナー、貸主側からの仲介手数料。
- オーナーからの依頼で、空室を埋めたい
- 不動産物件を売りたい
このような要望をサポートしています。
客付けと元付けの両方
実際には『客付け』と『元付け』の両方を行う仲介業者も多く存在します。
お客様側とオーナー側の両方から仲介手数料が得られるため、仲介業者にとって魅力的な取引です。
まとめ
では、これまでの内容を復習してみましょう。
- 不動産売却が得意な会社は、契約が決まるのも早い
- 購入は、経験豊富で法務もしっかりしている大手が安心
- 賃貸に強い不動産会社は、希望条件に合うこと
加えて、客付け&元付けの仕組みを知ることで、不動産会社の選択基準がよりクリアになっているかと思います。
そのため、これを期に、不動産会社の選び方を変えてみてはいかがでしょうか。
以上、「不動産会社の強みを知る」をテーマにお伝えしました。