住居の購入は、誰に持っても人生で一番大きな買い物です。しかし中古マンションを購入して転居した後、住人の雰囲気が悪かったり部屋に問題があったり、大規模修繕の問題が起こったりと、何かとトラブルに巻き込まれるケースがあります。
そのようなマンション購入の失敗・後悔が無いように、今回は中古マンションを購入前に、「入居後のトラブル回避のためにチェックすべきポイント」を5つご紹介します。
1. 中古マンション購入のポイント 「街や住人の雰囲気」
中古マンションを購入する際、多くの人は内覧に行きます。そのときチェックするのは、日当たりや部屋の状態、使いやすさなどが主です。しかし、このとき大事なポイントは、部屋の中だけではありません。それと同じくらいに「周囲の雰囲気のチェック」が必要です。
中古マンションを購入するとき、やはり大半の人は長く住み続けることを考えています。街や住人の雰囲気がミスマッチだと、この希望は叶えにくくなります。部屋の日当たりと同じように、ぜひ住んでいる人や街の雰囲気もチェックしてください。
1-1. 中古マンション購入は雰囲気の判断ができる
新築マンションはモデルルームと営業マンの話から判断するしかありませんが、中古マンションの購入の際は、新築の物件を購入するときと異なり、住んでいる人やマンションの雰囲気の判断がしやすいです。
中古マンション購入の場合は既に住民の雰囲気や付き合い方、マナーは構築されていますから、チェックしやすいのがメリットです。内覧の際にもぜひ意識をしてみてください。
1-2. 住民の雰囲気の判断例
特にマナーの悪い住民が多い場合、エントランスなどに注意書きが多い傾向があります。こういったところは、クレーム合戦の様相を呈していて、住民間の雰囲気も良くない可能性が高いです。
また、扉の前に平気でゴミ袋や大きな荷物などをを出しっぱなしにしている場合もトラブルを引き起こす可能性があるので、注意してください。
1-3. 街の雰囲気もチェック
マンション内だけではなくて、街の雰囲気のチェックも大事です。子育て世代なら近くに遊べる公園があるか、小児科や保育園、学校などの把握、治安の良し悪しがポイントになります。
例えば赤ちゃん連れが多い街であれば赤ちゃんに関わる物も簡単に手に入るでしょうし、高齢化が進んでいる街ではそういったお店を見つけることは困難です。そういった街の雰囲気も要チェックです。
2. 中古マンション購入のポイント「管理」
中古マンション購入にあたって、かつてから「マンションは管理を買え」という格言があります。これには、2つの要素があります。
2-1. 適正な管理がなされているか(管理費の適正)
1つは、もちろん「適正なマンション管理」のことです。これは同時に、管理費の適性さともいえます。たとえば、エントランスには、ちょっとした庭園があって、おしゃれな滝があったとします。
こんなマンションに住みたかったと安易に決めてしまうのは危険です。その庭園の維持のために、高額な管理費が住人から徴収され続けているのだとしたら、適性な管理とはいえません。
反対に、あまりに安い管理費で、ずさんな管理がなされている場合も同様です。入口のポストには折り込みチラシが散乱して、傘立てはしょっちゅう横倒しになっている、このようなところは安かろう悪かろうで、避けたほうが良いかもしれません。
こういった情報が事前に手に入るのも、中古マンション購入のメリットと言えます。
2-2. 管理組合が有効に機能しているか
もう1つの要素は、管理組合の有効性です。管理会社に全てを任せて自分たちはなにも、というのではなくて、所有者が主体的に活動しているかどうかが大事です。
管理組合の機能性が高いところは、やはり質の高い管理がなされます。一方で、その逆もまた然りです。
3. 中古マンション選びのポイント「大規模修繕」
中古マンション購入のチェックポイントで大事になってくることの1つに、大規模修繕というキーワードがあります。これは、マンション全体に足場を設置して、外壁の腐食や劣化への対応、建物の安全性の確保などを目的になされます。
マンションの管理にとって、切っても切り離せない関係にあるのが、大規模修繕です。「安い価格で中古マンションを購入出来て喜んでいたら、翌年が大規模修繕だった」などということがないよう、必ずチェックしてください。
3-1. 大規模修繕の有無をチェック
大規模修繕は、国土交通省が12年の周期で行うことを推奨しているため一般に10年~15年の間に行われることが多いです※。
築年数や大規模修繕履歴から、10年以上経っているのにいまだ大規模修繕がなされていない、計画もきちんと無いような物件には注意が必要です。
修繕積立金の滞納者が多くいたり、管理会社や管理組合に何かしらの問題があったりする可能性があります。
こういった物件に下手に入居すると、自分まで面倒な問題に巻き込まれかねません。中古マンション購入の際のチェックポイントの一つとして、大規模修繕を考えておきましょう。
4. 中古マンション購入のポイント「床や壁のチェック」
中古マンション購入の際には、内覧の時に床や壁の劣化や状態の確認が必要です。特に盲点となりやすいチェックポイントとしては、床の傾斜です。どのようにチェックすれば良いでしょうか。
4-1. 床の傾斜が盲点になりやすい
中古マンション購入時や、転居後すぐには気づかなくても、生活をしていて何かまっすぐ立っていないような感覚を味わって、修繕を余儀なくされるという例があります。
なかでもありがちなのが、基礎であるコンクリートに直接床を張った物件の場合で、その基礎の劣化により隙間が発生して、床そのものが落ち込み傾斜を発生させてしまうのです。
4-2. 施工会社に補償されるケースは少ない
自分たちの日頃の違和感から住宅診断士を呼んで、そこで初めて傾斜の事実が証明される例も存在します。このとき、施工会社に事実を告げると、ノーコストでコンクリートと床の修繕をしてもらえることがあります。
ただし、もちろん、どこの施工会社でも補償をしてくれるわけではありません。むしろ、そういったケースは少ないほうで、中古マンション購入後のトラブルの多くは自分の負担で修繕を依頼することになります。
そのため、契約前の内覧などのタイミングで、床の傾斜を始めとして、壁や天井など、盲点となりがちな劣化が発生していないか、しっかりとチェックしておくことが大切です。
5. 中古マンション購入のポイント「エントランスの綺麗さ」
マンションの外観に準じた顔ともいえるのが、エントランスです。ここの綺麗さを、内覧の際には必ずチェックしておきましょう。
5-1. 管理組合の機能性につながる
「エントランスが綺麗」ということは、前述したように管理組合がちゃんと機能していることにつながります。
ゴミが落ちていたり枯れた植物が放置されるようなことはなく、メールボックスも整頓されているのです。「管理が行き届いているか」という視点でもチェックしてみましょう。
5-2. 住人間の雰囲気も判断できる
特にエントランスをチェックしているときに、住人間の雰囲気が良いところは、自然と出てきた人が挨拶をしてくれます。
笑顔で穏やかに挨拶が交わされている環境なら、中古マンションを購入して転居してからも気分良く過ごせそうですよね。
一方で、エントランスで会っても挨拶もなく感じの悪い人が多いところは、その後の管理や修繕において問題が発生する危険性があります。
エントランスはまさに中古マンションの内面を映す鏡ともいえる場所。部屋の中をチェックするのと同様に、厳しい目で見るようにしましょう。
6. 中古マンション購入のチェックポイントについてまとめ
いかがでしたか。
今回は、中古マンション購入の際に押さえておくべき必須のチェックポイントを挙げてきました。紹介した5つの事項は、どれも重要です。
とりわけ内覧のときは、部屋の中にばかり注意がいきがちです。しかし、それだけではなくて、住人や街の雰囲気、エントランスの綺麗さなど部屋の外にもチェックすべきポイントがあります。
また、大規模修繕の有無など見るだけでは分からない事柄も存在します。今回挙げた5つのチェックポイントを参考にして、中古マンションを購入してからのトラブルを避けるようにしましょう。