- Area Market / 長野 / 軽井沢
- 2021年09月28日
【軽井沢】 2021上半期トレンド『コロナ禍2年目、本格的に動き出す富裕層』VOL.1
リゾート・別荘
2020年から続くコロナ禍において、にわかに注目度がアップした神奈川、千葉といった都心に近いリゾート別荘地。なかでも避暑地の王道、軽井沢への人の動きは特筆すべきもので、リモートワークやワーケーション、子どもの教育面から定住するファミリーなど、多彩な動きが顕在化しました。そして現在、活発な人の動きと比例して、別荘の品薄状態が続いているといいます。
では、実際のところ「1億円以上のハイグレード別荘」マーケットはどうなのしょうか?
List Sotheby’s International Realty銀座オフィス支店長・福島麦に、ここ数年の変化とともに、軽井沢マーケットの動向を聞きました。
※全3回完結記事のVOL.1となります。
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VOL.3はこちら
[CONTENS POINT]
●2021年本格的に動き始めた富裕層
●別荘地ならではの「品薄の理由」「相場上昇」
●売り出し物件が増える兆し・エリア別の探し方
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「KARUIZAWA RESORT HOUSE」
コロナ禍が長期化していますが、お客様の動きに変化はありますか。
「コロナ禍の早期収束の可能性もあったので、昨年までは様子見という方も多かったですね。お問合せや見学はコンスタントにありましたが、判断を決めかねている印象でした。今年(2021年)に入るあたりから急に具体的な購入へと動き出した感じです。『コロナ禍が間違いなく長期戦になる』、『リモートワークが定着する』ことへの確信が、決断の後押しになっていると思います。
また、ご家族や友人知人のご購入例が増えることで、別荘ライフがより身近になったことも影響しています。今年に入って、10億円を超える別荘や土地のご成約など、明らかに富裕層のお客様の動きは活発化しています」
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リゾート・別荘の「2020-2021年お問合せ件数の比較」と「2021年ご成約の内訳」
軽井沢のどんなところが、富裕層のお客様に好まれるのでしょうか。
「まず、富裕層のお客様はプライバシーを重視されますが、軽井沢は都心へのアクセスが良い反面、ほどよく首都圏から離れています。別荘同士の距離感も保たれているので、人目を気にせずに過ごせるメリットは大きいですね。
また、特にコロナ禍の現在、ホテル滞在やレストランなどの利用においても、閉店時間やアルコール提供などの制限があるので、こうした『息苦しさの軽減』という意味でも、改めて別荘ライフのメリットに目を向けられていると思います。
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東京駅からJR北陸新幹線で約70分でアクセスできる軽井沢
そして軽井沢の魅力はなんといっても美しい自然です。標高1,000㎡を超える高原なので、空気も水もクリア、目覚めの一杯のコーヒーも極上です。もちろんお米や野菜もとてもおいしいので、軽井沢のスーパーや『軽井沢発地市庭』などで新鮮な野菜を買って都心に持ち帰る方も多いですね。広々としたドッグランで大型犬ものびのび走らせられますし、特に女性のお客様が軽井沢のライフスタイルを愉しまれているのを感じます。
ほかにも『ワイナリーのために環境のよい軽井沢に別荘を』といわれる方も多いですし、温暖化が進むなかでゴルフやテニスを愉しむ方も、これまで以上に『避暑地・軽井沢』を支持していると思います」
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旧軽井沢エリアの別荘
では、品薄といわれるマーケットですが、まずは新築別荘について教えてください。
「非常に少なくなっています。建てたい建築業者は多く着工数も多いのですが、良い物件はマーケットに出てすぐに売れてしまうこともあり、ニーズに追いつかないというのが現状です。今年は完成間近な物件も含めて、エリア全体で10件程度ではないでしょうか。
特に軽井沢で求められるアート作品のような別荘は、さらに少なくなりますね。これらは建築家のプランニングのもと、2年から3年かけての建築になります。建材・設備も一つひとつ上質なものをセレクトするので、量産ものと異なり、仕入れが1年後ということも少なくありません。軽井沢町の自然保護対策要綱によって7月から8月は工事ができないことや、気候的に冬場も事実上工事がストップするという物理的な制約もありますね。
都心部であれは多少供給が減ったとしても100件、200件と新築物件が出回りますが、軽井沢は高級別荘地なので、そういったマーケットとは比較にならない少なさです」
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「KARUIZAWA RESORT HOUSE」
土地を購入して別荘を建てる方も増えていますか。
「はい。昨年は『コロナ疎開』という側面が強く、『すぐに住める別荘を購入』という方が大半でしたが、今は、こうした品薄状態もあって、腰を据えて『土地を買って別荘を建てる方』が確実に増えています。弊社でも、完成までの仮住まいを依頼されるケースが増えていますね。
ちなみに、昨今の建築デザインのトレンドとしては、湿気のある軽井沢の特性に配慮した、平屋の高床式のものが注目されています。上質な木材と石材を主軸にしたプランで、本当に森の中に溶け込んだようなツリーハウスです。クオリティへのこだわりが高まる分、建築コストも以前の坪単価100万円前後から200万円前後とアップする傾向が見られます」
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「KARUIZAWA RESOR HOUSE」