- Area Market / 長野 / 軽井沢
- 2021年09月28日
【軽井沢】2021上半期トレンド 『別荘地ならではの流通量と相場の変化』VOL.2
リゾート・別荘
※全3回完結記事のVOL.2となります。
VOL.1はこちら
VOL.3はこちら
[CONTENS POINT]
●2021年本格的に動き始めた富裕層
●別荘地ならではの「品薄の理由」「相場上昇」
●売り出し物件が増える兆し・エリア別の探し方
「INSPIRING ART HOUSE」
新築物件は非常に少ないとのことですが、既存の別荘はどうでしょうか。
「まず、軽井沢は100年を超える別荘地なので、主流が既存の別荘、つまり中古マーケットになります。『歴史あるもの』、『外国人オーナーが建てた美しい別荘』や『アーティスティックな和風建築』など、上質な別荘が揃います。ただ、個人のお客様からの売り出しが基本なので、常に潤沢にあるわけではありません。
現在は、こうした背景を加味したとしても、新築同様、中古別荘の流通は非常に少ないです。特に、デザイン性が高い別荘は築10年前後ぐらいに多いので、この辺りの年代のものはマーケットに出てもすぐに売れてしまいます」
「ART HOUSE」
品薄の状況には、軽井沢の別荘地ならではの理由もありますか。
「そうですね。軽井沢の別荘を所有する方々のバックボーンも、流通が少ない理由のひとつです。
旧軽井沢エリアなど、古くから軽井沢に別荘をもつ皇族・政財界・文化人の方や国内外の資産家は、代々この地のコミュニティに根付かれているので、別荘を売る理由がありません。相続などで売りに出ることもありますが、あまり期待しすぎずに粘り強く待つ、という感じですね。
軽井沢に別荘を所有することが各種コミュニティに所属する条件になっている場合もあるので、そうした理由で手放さない方も少なくありません。
「軽井沢南ヶ丘の土地」
一方で、昨年までは『コロナ疎開』の側面もあってご自身で利用されていた方が、今後、コロナ禍の収束とともに売りに出すことは考えられます。
後半で触れますが、相場は右肩上がりの状況が続きますので、『高く売れるなら今売ろう』と検討される方は増えています。これらの別荘がマーケットに出てくる可能性は高いですし、今もすでにその兆候は出ていますよ。
相場観について、コロナ禍の前と比較して教えてください。
「『高くても今購入したい』という動きと品薄状態で、2019年に比べると、エリアによっては土地の坪単価で10万円以上は上昇していると思います。軽井沢は『軽井沢町の自然保護対策要綱』などもあって300坪以上の土地が主流ですので、一軒あたり3,000万円以上の価格アップといえます。旧軽井沢といった中心部から離れたエリアでも、まだまだ上昇傾向にありますね。
※エリア別の相場観は全3回／VOL.3の記事をご覧ください。
別荘は一点ものなのと各エリア差が大きいので、相場はあくまでもひとつの目安としてみてもらえればと思います。
また、ハイグレード不動産を中心に扱う弊社のようなブランドでは、常に国内外のお客様からご売却のご相談をいただいたり、広告としての露出は無くともコンスタントに別荘の販売を任されておりますので、マーケットの流通量が少ないからといってあきらめることはありません」
「メビウスブレイン」
参考までに、マンションのマーケットはどうでしょうか。
「軽井沢は8～9割が第一種低層住居専用地域なので、鉄道の路線沿い、長野県道の南軽井沢と新軽井沢を結ぶ通称『プリンス通り』、旧軽銀座通り沿いの一部など、ごくごく限られたエリアにマンションが建ちます。
以前は似たような外観・スペックのマンションが主流でしたが、最近はデザイン性のある新築マンションが増えています。新築では坪単価400～600万円台のものが注目されています。
特徴としてはサービスの充実です。上質なコンシェルジュやバーベキュー、ケータリングなど多岐に渡るサポート、あとはタイムシェアとして活用できるなど、ハワイのコンドミニアムのような感覚のサービスですね。
中央区銀座2丁目にあるList Sotheby's International Realty銀座オフィス
ただし、条例の容積率制限の関係で、広い敷地の割に建物面積が狭くなるので、総戸数は少なくなります。そして、湿気や冬の凍結対策など管理に手間がかかるので、首都圏のマンションに比べると修繕費・管理費が高くはなります。
戸建ての別荘で年間20～200万円、それ以上に管理コストがかかるケースも少なくありませんので、多少負担が軽減されることや、ホテル感覚で滞在されたい方はマンションを検討してみてもよいと思います」
