不動産の売却が成功するかどうかの大きな決め手は、不動産会社の選定です。大きな売り物だけに不動産会社選びを間違えれば、同じ不動産売却でも数十万円、数百万円単位で損をする可能性も。
それでは、どうやって不動産売却を成功させる不動産会社を見極めればよいのでしょうか？大手不動産会社と小規模不動産会社では、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
- 不動産売却：不動産会社の大手と中小の違いとは
不動産会社には大きく分けて2つの種類があります。
大手不動産会社と中小の小規模不動産会社です。会社の規模や組織、営業スタイルによって不動産売却の方法も異なるので、早速紹介しましょう。
大手はテレビCMなどでおなじみのチェーンなどで、中規模は全国展開では無いにしても複数の支店を持つ不動産会社、小規模は駅前などでよく見かける個人商店のような不動産会社です。
このそれぞれに特徴があります。
①不動産売却：大手不動産会社のメリット
大手不動産会社は店舗数や人員の数も中小を圧倒していますので、物件情報の数や顧客リストも豊富です。
このため不動産売却の際、買い手を探しやすい環境にあるといえます。
また、様々な保証や各種のサービスなども取り揃えており、そういった点からも良い条件で不動産売却ができる可能性があるといえるでしょう。
さらに資金力も豊富なため宣伝も多く打ってくれるといった側面もあります。広告戦略や規模は、不動産売却を成功させるための大きな要因の一つです。やはり資金力は大きなメリットの一つとなります。
②不動産売却：大手不動産会社のデメリット
大手不動産会社の場合、あなたのような不動産売却を希望する売り主だけでなく、買い主も顧客として抱えています。
このため、あなたの物件を顧客の買い主に売ろうとする可能性が非常に高いといえます。
そうすることで、売り主と買い主の双方から手数料がもらえるからです。
その結果、不動産会社はあなたのためだけでなく、買い主のためにも便宜を図ることになります。
買い主の「少しでも安く」という希望を反映させるためには、あなたの「少しでも高く不動産売却をしたい」という希望を抑える必要が出てくるため、売値が低くなってしまう可能性がある、と言えるのです。
また、担当者はあくまでもサラリーマンであるため、親身に相談に乗ってくれるというよりもビジネスライクな対応と感じてしまう点もデメリットかもしれません。
③不動産売却：中小規模不動産会社のメリット
中規模は全国展開ではなく特定のエリアを中心に展開し、小規模不動産会社は駅前などでガラス全面に物件の張り紙などをした「地元密着型の不動産会社」とも言えます。
このため、地元の買い主事情などに精通しており、不動産売却を依頼した際、良い買い主を素早く見つけてくれる可能性があります。
さらに、地元ならではの情報を多く持っている可能性が高く、物件の売り時なども判断してくれる可能性があります。
また、大手と違い個人商店であることが多いので、不動産売却の対応に親身さを感じることができるともいえるかもしれません。
④小規模不動産会社のデメリット
やはり大手と違い顧客の数はそれほど多くありませんので、それだけ売却のチャンスは少ないといえるでしょう。
また、規模の大きさからどんな物件にも対応できる大手と違い、得意なジャンルは絞られます。そのため不得意なジャンルの不動産売却であれば売却に時間がかかることもあります。
ただこれらのデメリットは先のメリットで克服できるものともい言えます。事前に「どんな物件の不動産売却が難しいか」ということを聞いておけば済む話、となります。
- 不動産売却：集客力があるのは大手？中小？
不動産売却の際、物件をより早くより高く売却するためには、やはり1人でも多くのお客様の目に触れることが必要です。そこで重要になってくるのが、不動産会社の集客力です。
集客力は、営業マンの数や規模の大きさ、資金面で圧倒する大手がやはり有利です。
しかし、実は中小にも集客力はあります。
その証拠に街の不動産屋さんは今もしっかり生き残っています。
地元にしっかりと根付いた中小の不動産会社は地元ならではの有力な顧客や人脈、さらには不動産売却をした顧客にとって有益な情報を持っている可能性も高いのです。
大手の不動産会社にスケールでは劣っても、有力な情報を地元に密着した不動産会社が先につかむということはよくあります。
あなたが「不動産売却を希望している」と物件の話をし始めた段階で、地元に根付いた不動産会社であればその物件を買いそうな顧客がもう頭に浮かんでいる可能性すらあります。
このように、集客力では大手と地元密着の中小のどちらにもそれぞれ魅力があるといえるでしょう。
- 免許更新回数のチェック法
不動産売却は、早さと売却価格を少しでも高くできることが重要なので、その辺りは不動産会社の腕や経験量にかかっているとも言えます。
その経験の豊富さを簡単に推し量る方法があります。それは「不動産会社の免許番号をチェックする」のです。
宅地建物取引業の免許番号で、不動産会社のHPや広告などには必ず記載されています。
「国土交通大臣（5）第0000号」「東京都知事（3）第00000号」といった風に書かれています。
この（ ）の中の数字が免許の更新回数なのです。
免許は5年ごと（1996年3月以前は3年ごと）に更新されます。
つまり数字が大きければ大きい程、不動産会社としての営業年数が長く、それだけ不動産売却の経験と実績もある可能性が高いのです。
ただし、経験年数が長くてもただ長いだけでダメな会社もありますし、逆に若い会社でも大手で修業を積んで独立したばかりの会社かもしれませんので、色々な会話の中から信頼できるかどうかを見極めることが大切です。
まとめ
人生で最も高い売り物となるであろう不動産売却。不動産会社選びを間違えれば、大きな損を蒙ってしまうことになりかねません。大手不動産会社や中規模・小規模不動産会社と様々ありますが、それぞれに特徴があります。どの不動産会社に頼めばあなたの希望する金額で売却してくれるのか、しっかり勉強して賢く不動産会社を選定しましょう。