【トレンド】各国のエージェントが語る『日本の家・6つの特徴』／海外のジャパニーズスタイルを探る

世界70か国以上に広がる高級不動産仲介ブランド「Sotheby’s International Realty®」では、不動産を通して『ライフスタイルの豊かさ』を追及しています。今回は、各国のエージェントが想う６つの『ジャパニーズスタイル』をそれぞれに取り入れた邸宅を紹介します。海外では日本のスタイルをどう捉えているのでしょうか。

「『侘び寂び』とは、禅の教えにもとづいた日本の建築様式をかたちづくるエッセンスです。表現するのが難しいのですが、そこには『はかなく、不完全なものの美しさ』があります。無駄をそぎ落としたミニマリズムを重んじ、『歴史あるものを大切にする』考え方です。

たとえば家具やアート作品にエイジングによる劣化があっても、価値あるものなら、それを大切に扱います。

また、『侘び寂び』は自然とのつながりを重視し、木や竹、石などの素材や、ブラウン、グレー、グリーンなどの自然な色調を使うことで、静寂な落ち着きを表現します」

●フランス：Cote d’Azur, France | Côte d’Azur Sotheby’s International Realty

「『侘び寂び』の伝統では、時を経ても変わらないものを作るために、『繊細な職人技』や『細部へのこだわり』が重要視されます。日本では、家具は高品質の木材や自然素材から作られ、デザイン性と機能性の両方を満たします。

ミニマリストの美学に沿って上質な家具を手に入れることは、価値ある投資です。これらの家具は、『省スペース』かつ『シンプルなデザイン性』、そして『高い収納力』を兼ね備えます」。

●アメリカ合衆国：New York | Juliette R. Janssens & Allison B. Koffman, Sotheby’s International Realty – East Side Manhattan Brokerage

「日本の家では、海外に比べると家具の高さがかなり低くなっています。テーブルは、畳や座布団に座って食事ができるように設計されています。

ソファや椅子、ベッドは部屋の低い位置にあるため、空間が広く感じられ、屋外への視界も広がります。ベッドルームでは、背の低いベッドフレームや家具を選び、寝具には『リネンなどの天然素材』を使用することで、静かでエレガントな寝心地を実現できます」。

●スイス：Dully, Switzerland | Hugo Dos Santos, Cardis Immobilier Sotheby’s International Realty

「空気の流れを良くするために、薄型の家具を用いるだけでなく、かさばる家具や小物を置かないようにしましょう。日本の家はオープンな間取りが多いので、動きやすく、自然光が部屋の中を気持ちよく通り抜けます」

●シンガポール：Singapore | Michele Cabasug, List Sotheby’s International Realty

「日本の家には、独立型の湯船（風呂）が欠かせません。日本の伝統的な文化のひとつに、『毎晩の入浴で血行を促進し、痛みを和らげる』という癒しの習慣があります。日本の入浴習慣に合わせて、シャワーを設置し、『湯船に浸かる前に体を清める』ことができるようにするのが、ジャパニーズスタイルです」

●スイス：Geneva, Switzerland | Cardis Immobilier Sotheby’s International Realty

「日本建築では、『障子』と呼ばれる軽量のスクリーンが、壁に取り付けられたレールに沿って簡単にスライドできる開口スタイルがあります。木枠に半透明の和紙が貼られているので、柔らかな自然光が家中に広がります。

日本のデザインには、美的感覚やホリスティック（全体性）な感覚など、多くの魅力があります。シンプルさや、伝統的な建築様式の融合、さらに『侘び寂び』の精神を貫くことで、和風デザイン独特の優雅さが実現できます。

これらは、日常をより豊かにしてくれます。慌ただしい日常の中で、何もない穏やかな空間に身を置くとほっとするように」

●ドバイ：Dubai, United Arab. Emirates | David Kodama, LUXHABITAT Sotheby’s International Realty